「星ナビギャラリー」の裏側(選考編)

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こんにちは。星ナビ編集部のいしかわです。

9月3日に「星ナビ」10月号が発売されました!

10月号は表紙の「土星のリング」がとっても可愛いですよ!

星ナビの人気のコーナーのひとつといえば「星ナビギャラリー」。毎月たくさんの作品が届いています。その裏側を紹介していきますよ!

2021年10月号の星ナビギャラリー

前回の応募編に続く今回は「選考編」。

  • どんな作品が選ばれる?
  • 作品を選ぶ基準は?

応募者が気になるポイントを、毎月「星ナビギャラリー」掲載作を選んでいる川口編集人に聞いて来ちゃいました!

ギャラリー作品と本誌。写真プリントの色味の再現度が高いです!

\ 前回の記事はこちら! /

選考の手順を教えて!

ギャラリー選考の様子。

ーー 毎月どうやって選考しているんですか?教えてください!

3段階で作品の数を絞り込んでいるよ。第1段階では天体写真としての基本的な項目をチェックしているんだ。

第1段階チェックポイント

  • ピント・ガイドは甘くないか
  • 極端な色調の偏りはないか
  • 露出オーバー・アンダーになっていないか
  • 極端な階調になっていないか
  • 極端な画像処理をしていないか

ーー なるほど!ちなみにどれくらいの作品が通過できるんでしょう……?

応募があった作品の半分くらいかな。

ーー 厳しい……! でも基本的な天体写真のポイントが押さえられていれば第1段階は通過できそうですね! 第2段階はどうでしょうか?

次の段階では、紙面映えする作品かどうかをチェックしているよ。

第2段階チェックポイント

  • 画質・階調・色調は整っているか
  • 構図・バランスはどうか

ーー 撮影の基本から一歩進んだチェック項目ですね。応募作品のどれくらいがチェックを通過するんでしょうか?

ここで、50点くらい(掲載作品の倍程度)まで絞り込んでいるよ。ちなみに、第1段階・第2段階では写真だけを見てチェックしていて、撮影者や機材を記載した「撮影データ」は見ないでチェックしているよ。

ーー 純粋に「写真が掲載の基準に達している」か、だけをチェックしているんですね。

星ナビギャラリーのページ作り

ーー 最終段階について聞く前に、「星ナビギャラリー」の「ページごとのテーマ」について聞きたいです!

「星ナビギャラリー」では、星景写真、星雲・星団・銀河、惑星・月・太陽など見開きごとにテーマを作って掲載しているよ。季節に合わせたテーマで掲載作をまとめたりもしているんだ。たとえば、星ナビ10月号では「花が入った星景」がテーマのページがあるよ。

2021年10月号の「星ナビギャラリー」。「花のある星景」をテーマにまとめています。
「天の川」がテーマの作品をまとめたもの。見開き(2ページ)に掲載される作品は5枚前後。その中でテーマを決めて作品を選びます。

ーー 季節ものといえば、桜の入った星景や昇る天の川などでしょうか。あとは流星群や月食みたいな天文現象をまとめたりもしていますね。

流星群・月食・日食などの天文現象は、たくさん応募が寄せられたら「流星群特集」「皆既月食特集」など別の記事で掲載することもあるよ。

ーー 季節性があるテーマの写真は「星ナビギャラリー」ではなく表紙に掲載されることもありますよね(次回のブログ記事で紹介)。あとは毎月12月号の「付録カレンダー」になりやすかったり。そもそも、テーマでまとめている理由はあるんですか?

テーマが同じ作品を近くに掲載すると写真同士を比べられるから、天体写真を撮影する読者の参考になるよね。

2021年10月号の「星ナビギャラリー」。星雲でまとめたページです。

ーー 作品のデータを見比べることで、「何を使ってどのように撮影したらいいか」の参考にもなりますね! そういえば、現在の「星ナビギャラリー」は10ページの構成ですが、星雲・星団、星景などが毎月同じような配分で掲載されていますよね。どのジャンルの応募が多いんでしょう?

応募がある作品は、「星景」と「星雲・星団・星野」がそれぞれ4〜5割ずつ、惑星・月・太陽は1割以下なことが多いかなあ。ページ配分は応募作の割合によって決定しているよ。

掲載するすべての作品を並べてバランスを確認します。(2019年6月号掲載作品)
  • 星景、星雲・星団など見開きごとにテーマがある
  • 季節を感じる写真は狙い目
  • ページ配分は応募作の割合と同じくらい

掲載作品を決める最終段階

ーー 次はいよいよ掲載作品を決める最終段階ですね。

以下のポイントに気をつけながら、最終的に20-25点くらいに絞っているよ。

最終段階チェックポイント

  • 先進的か、斬新さがあるか、独自性があるか
  • 過去の類似作品と比較してどうか
  • 星雲・星団、星景、月・惑星・太陽などのジャンル間のバランスを考慮する

ーー 第二段階よりさらに一歩進んだ基準で選考しているんですね。どっちの作品を掲載するか、すごく悩んだ時はどうするんでしょうか?

作品の甲乙がつけがたい時は、以下の項目をチェックして掲載作を決めているよ。

  • 新人・ビギナー、これまでの掲載が比較的少ない人などを優先する
  • 近い号で掲載していない対象を優先する
  • 独自性など、目に新しい作品を優先する
  • 誌面掲載時のテーマを考慮する

第2段階まで残る作品はどれも誌面映えする作品。どんなページ構成にするかによって掲載作品も変わってくるね。

ーー ありがとうございました! 最後に「星ナビギャラリー」に応募してくださっている皆さんに一言お願いします。

最近はベテランの皆さんに混ざって20代から30代の若手や、新人の皆さんの応募が増えてきています。撮影の技はもう一歩といったものも多いので、誌面採用に向けて技を磨いてほしいです。

まとめ

「星ナビギャラリー」の裏側、いかがでしたか?今回は川口編集人に「掲載作の選び方」について聞いてきました。力作が撮影できたら、ぜひ応募してみてくださいね!

次回は「表紙掲載編」! 星ナビの表紙は「星ナビギャラリー」応募作の中から選ばれることもあります。表紙になりやすい作品はどんなもの? また、気になる掲載料についても解説していきます。

次回もお楽しみに!

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