ビクセン「ワイヤレスユニット」について
ビクセンの「ワイヤレスユニット」は、これまでの「STARBOOK」に代わって、天体の自動導入などビクセンの赤道儀を制御する装置です。STARBOOKに比べて、ディスプレイやボタンはついておらず、スマホのアプリで操作することになっています。そのため、とても小型になっています。
これまでは、STARBOOKとノートPCをLANケーブルで接続する必要がありましたが、ワイヤレスユニットではWi-Fiで接続するのでケーブルレスで操作できます。夜間の天体観測の際にケーブルを気にせずに動けるのでとても便利です。(ケーブルをひっかけてしまう、は天文あるあるですね)
さらにビクセンの入門者向け赤道儀のAPシリーズにも対応しているので、これで自動導入もできるようになりました。
そんな便利なワイヤレスユニットに、「ステラナビゲータ12」と「ステラショット3」が完全対応しました。
使い方
さっそく、それぞれの使い方を解説していきます。
赤道儀とワイヤレスユニットの準備
- 赤道儀のCONTROLLER端子にワイヤレスユニットを取り付けます
- 望遠鏡が西の水平線を向くようにします
- 赤道儀の電源をいれます
- ワイヤレスユニットの電源インジケータが点灯するのを確認します(詳しくはワイヤレスユニットの説明書をご覧ください)
PCとの接続
ワイヤレスユニットの電源ランプの点灯を確認したら、PCとWi-Fiで接続します。
- PCを起動します
- タスクバーのWi-Fiアイコンをクリックして設定パネルを開きます
- Wi-Fiボタンの右にある「>」ボタン(Wi-Fi接続の管理)をクリックして、SSIDの一覧から「VixenWirelessUnitXXXX」(Xは数字)を選択し、接続が完了するのを待ちます
- 接続が確立するとワイヤレスユニットの無線接続インジケータが赤から青に変わります赤のまま変化がない場合は接続できていませんので、再度、手順の2から行ってください
ステラナビゲータ12の場合
PCとワイヤレスユニットが接続できたら、ステラナビゲータ12を起動して、ワイヤレスユニットと接続します。なお、ステラナビゲータ12には、事前に12.0f以降のアップデータをインストールしておいてください。
- ワイヤレスユニットとの接続時に、ステラナビゲータ12で設定されている場所の経緯度が送信されるので、先に観測場所を設定しておきます
- 「観測」メニューから「望遠鏡コントロール」を開きます
- 「接続方法」で「PC直結」を選択します。
- 「メーカー」から「ビクセン」を選択します。
- 「望遠鏡」から「ワイヤレスユニット」を選択します
- 「接続時に日時・場所を送信」にチェックが入っていることを確認して「接続」ボタンをクリックします。
これでステラナビゲータ12とワイヤレスユニットが接続できました。星図上の天体を指定して、自動導入を行ってください。
ステラショット3の場合
PCとワイヤレスユニットが接続できたら、ステラショット3を起動して、ワイヤレスユニットと接続します。なお、ステラショット3には、事前に3.0g以降のアップデータをインストールしておいてください。
なお、オートガイドはガイドケーブルがなくても使用できます。
- ワイヤレスユニットとの接続時に、ステラショット3で設定されている場所の経緯度が送信されるので、先に観測場所を設定しておきます
- 「設定」パネルにある「望遠鏡(赤道儀)」の「選択」を開きます
- 「接続」は「PC直結」を選択します
- 「メーカー」から「ビクセン」を選択します
- 「機種」から「ワイヤレスユニット」を選択します
- 「接続時に日時・場所を送信」にチェックが入っていることを確認して「接続」ボタンをクリックします。
これでステラショット3とワイヤレスユニットが接続できました。星図などで天体を指定して、自動導入を行ってください。
オートガイドを使う場合
- オートガイダーカメラとワイヤレスユニットをガイドケーブルで接続している場合の設定
- オートガイド画面で「設定」ボタンをクリックします
- 表示された「オートガイド設定」ダイアログで、「パルス出力」から「ガイド端子」を選択します
- オートガイダーカメラとワイヤレスユニットをガイドケーブルで接続していない場合の設定
- オートガイド画面で「設定」ボタンをクリックします
- 表示された「オートガイド設定」ダイアログで、「パルス出力」から「望遠鏡の微動」を選択します
GearBoxとの併用
Wi-Fi接続機能の拡張
GearBoxもワイヤレスユニットと同様にWi-FiでPCと接続します。しかし通常のPCでは、Wi-Fi接続できる機材(親機・アクセスポイント)は一か所だけです。そのため、GearBoxとワイヤレスユニットを同時につなぐ場合は、PCのWi-Fi接続機能を拡張する必要があります。これには、市販されている「USB無線LAN子機」や「USB無線LANアダプター」といった製品を使います。これによってWi-Fiの接続先を2つ選択できるようになります。
USB2.0、USB3.0に対応した製品がありますが、お使いのPCに合わせて選んでください。一般的にはUSB3.0を使った方が転送速度が速くなります。
例)https://www.elecom.co.jp/products/WDC-867DU3S2.html
USB無線LANアダプターを用意したら、以下のようにして機器と接続します
- PCを起動し、取扱説明書に従ってUSB無線LANアダプターを接続します
- タスクバーのWi-Fiアイコンをクリックして、設定パネルを開きます
- Wi-Fiボタンの右にある「>」ボタン(Wi-Fi接続の管理)をクリックして接続管理画面を開きます
- 「Wi-Fi」と表示された右側にVマークがあるのでここをクリックすると、リストに「Wi-Fi」と「Wi-Fi2」が表示されます
- まずは「Wi-Fi」を選択して、SSIDから 「GearBox_XXXXXX」(Xは数字)を選択して、GearBoxを選択し、パスワードを入力して接続が完了するのを待ちます
- 次に「Wi-Fi2」を選択して、SSIDから 「VixenWirelessUnitXXXX」(Xは数字)を選択して、ワイヤレスユニットを選択し、接続が完了するのを待ちます
- Wi-Fiの通信が確立するとワイヤレスユニットの無線接続インジケータが赤から青に変わります。赤のまま変化がない場合は接続できていませんので、再度2から操作してください
※「Wi-Fi」「Wi-Fi2」のどちらにGearBox、ワイヤレスユニットを接続するかは任意です。
ワイヤレスユニットの接続
- ステラショット3を起動します
- 「設定」パネルにある「望遠鏡(赤道儀)」の「選択」を開きます
- 「接続」は「PC直結」を選択します
- 「メーカー」から「ビクセン」を選択します
- 「機種」から「ワイヤレスユニット」を選択します
- 「接続時に日時・場所を送信」にチェックが入っていることを確認して「接続」ボタンをクリックします。
これでステラショットとワイヤレスユニットが接続できました。
ワイヤレスユニット以外のGearBoxに接続した機材を接続する場合は、「接続」の選択を「GearBox」にしてください。
接続が完了したら、通常通りステラショット3で望遠鏡やその他の機器を操作することができます。
注意
- Wi-Fiの電波が通りやすいように、ワイヤレスユニットとPCの間にはなるべく遮るものがないようにしてください
- 赤道儀の電源をいれたままステラショットを再起動させ、ワイヤレスユニットに再接続した際に、通常は望遠鏡が向いている方向がステラナビゲータやステラショットの星図に表示されます。しかし向いている方向が正しく表示されない場合は、望遠鏡を初期姿勢にして赤道儀の電源を入れなおして、再度接続してください。