概要
天体写真撮影初心者の石川は、上山先生のレクチャーで星雲・星団の撮影にチャレンジ中! 前回までは「ステラショット2」を使った撮影について紹介しました。
今回はついに画像処理! 「ステライメージ8」を使った画像処理を紹介していきます。
「ステライメージ8」で下準備をしよう
今回はついに画像処理ですね! 楽しみです!
今回は「ステライメージ8」を使って、私が撮影したオリオン大星雲(M42)の画像を処理していくよ。
「ステライメージ8」は天体写真のために開発されたソフトウェアで、画像の下処理から仕上げまでをこれひとつで行うことができます。
天体写真では、撮影した画像を重ねて画質を良くする「コンポジット」という処理を行うよ。
同じ条件で画像を複数枚撮影して、それらを重ね合わせることでノイズが減って画像が滑らかになるんですよね。
実はコンポジットをする前にいくつか下準備が必要なんだ。だけど、これまで(ステライメージ7以前)の画像処理ではそれがすごく面倒だったんだ。
コンポジットまでに必要な処理を下の画像にまとめたよ。
以前は画像の選別やダークフラット補正、ホット・クールピクセル除去、RAW現像、階調調整を撮影した枚数分行う必要があったんだよね。
一枚一枚同じ作業をやるなんて、聞くだけで大変そうです…。
初心者にはわかりにくいし、単調な作業だからベテランには面倒な作業が多くて…。
そんな、ちょっと面倒な下準備を「ステライメージ8」を使うことで自動で行うことができるようになったんだ。
面倒な作業がなくなると、画像処理にもっと時間がかけられそうです!
実際に「ステライメージ8」の画面を見ながらやってみよう。
撮影したライト画像とダーク画像を読み込ませて、オプションパネルで設定を行うだけで自動でコンポジットしてくれるよ。
コンポジット前と後で比較をしてみよう。
星雲部分のノイズが少なくなって、星像もはっきりしましたね!
これがコンポジットの効果だよ。
次は画像処理をしてみよう!
「良い天体写真」って?
コンポジットが終わったら、いよいよ画像処理で磨きをかけていこう!
画像を整える、といっても初心者だと何がいいのかわからないです。
そもそも、「良い天体写真」ってどんなものなのでしょうか?
そうだね。まずは、
1.星がシャープに写っている
2.露出が適正
3.天体の色がよく出ている
4.背景の色がニュートラルグレー
を目指すといいよ。
なるほど…。
撮影する人によって好きな天体写真の色味は違うから、自分の好きな天体写真を目指して処理をするのが大切だよ。
画像処理の流れを紹介!
では、コンポジット処理が終わったM42の画像を使って、実際に画像処理の流れを解説していこう。
画面内右の「調整バー」を使って画像の調整を行うんですね。
やってみます!
コンポジット直後の画像です。
まずは「シャドウスライダー」を使って背景色を締めてみましょう。
↓
背景がぎゅっと締まりましたね。
次は、「中間調スライダー」を使って星雲の淡いところを調整しましょう。
↓
M42の上の部分の淡いところの構造が見えてきました!
さらに「ハイライトスライダー」を使って、星雲の暗いところまで調整をしていきます。
↓
星雲の暗いところの構造まではっきり見えてきましたが、星雲の中心部分が白く飛んでしまっているのが気になりますね。
「白飛びスライダー」を使って、白飛びしている部分の構造が見えるようにしていきます。
↓
中心部の構造が戻ってきました。
次は「カラー強調スライダー」を使って、星雲の色を鮮やかにしていきます。
↓
星雲の色味が鮮やかになってきました。
画像のノイズが気になるので、「ノイズ低減」を使ってノイズを減らしていきましょう。さらに、「シャープネス」を使って、星雲や星のディテールをくっきりさせていきます。
↓
完成です!
色鮮やかな星雲の構造がよく見えるようになりました!
\「ステライメージ8」を使った画像処理を動画で確認!/
自分好みの天体写真を目指そう!
画像処理、奥が深いですね…。1日で全て覚えるのは難しいかも…。
撮影する人によって、画像処理の仕方にも個性が出るよ。じっくり時間をかけて取り組んで、自分の撮りたい天体写真を目指して頑張ろう。
そうですね!
今回の内容を参考に、前回撮影したM13も処理してみようと思います!