【ステラショット3】彗星を留めて撮影!「メトカーフガイド」新搭載

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かみやま
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ステラショット3.0jアップデータ(2024/9/27公開)で、移動天体を追尾して撮影する「メトカーフガイド機能」を搭載しました。紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)の到来を受けての緊急対応です。

これまでの彗星撮影

彗星は、恒星に対して夜空を高速に移動していきます。そのため恒星時追尾の赤道儀で長時間露光で撮影すると、恒星は点状になりますが、彗星は流れて写ってしまいます。そこで、これまでさまざまな工夫をして「彗星を静止させた」撮影がなされてきました。たとえば、以下のような方法が主流になっています。

  1. ガイド鏡で彗星の中心を合わせ、彗星の中心がずれないよう手動でガイドしながら撮影(銀塩時代)。
  2. 恒星時追尾ではなく彗星追尾機能をもった赤道儀で撮影(自動導入の普及)。
  3. 彗星が流れない程度の露出時間で撮影し、ステライメージのメトカーフコンポジット機能を使って画像を合成(デジタル時代)。

方法2の彗星追尾機能を持った赤道儀も便利なのですが、彗星の位置を計算するために軌道要素を設定する煩わしさと、オートガイドと併用できないことが欠点です。

ステラショット3のメトカーフガイド

最近は、オートガイドを使った天体撮影が一般的になっています。そのため、できればオートガイドしながら長時間露出で彗星を留めて撮影したいと思うのは当然の欲求です。そこで、ステラショットの最新アップデータ3.0j(2024年9月27日公開)では、メトカーフガイド機能を搭載しました。
これは、オートガイドをしながら、彗星の移動量に合わせてガイドの基準点をずらしていくことで彗星を追尾をするものです。このメトカーフガイド機能は、彗星だけでなく小惑星も追尾して撮影することもできます。

以下は、小惑星でテスト撮影したものです。

メトカーフガイドの使い方

ステラショットのメトカーフガイドの使い方はいたって簡単です。

  1. 彗星または小惑星を選択して導入します。
  2. テスト撮影をします。
  3. 必要ならば導入補正をして構図を決定します。このとき「クリックした位置を中央」の機能も使えるので、彗星のコマを画角の中心からずらし、彗星の尾の全体を含む構図にすることもできます。
  4. オートガイドの「メトカーフ」ボタンを押して点灯させます。
  5. オートガイドを開始します。
  6. 撮影を開始します。

オートガイドの「リアルタイム」画面では、時間が進むにつれて、ガイド星を囲む赤い円が彗星の動きに合わせて動いていくのがわかります。このときリアルタイム画面の上部には、対象天体のガイド開始時点からの移動量も表示されます。

もちろんディザリングガイドと併用して撮影することもできます。

ステラショット3でメトカーフガイド撮影

ぜひ時々刻々と移動する彗星の姿を捉えてみましょう!

【ご注意】

  • 赤緯方向のガイドを行うため、バックラッシュが大きい赤道儀の場合は小惑星などでのテスト撮影をお勧めします。
  • ステラショット3のライブスタックは恒星で位置合わせをするため、メトカーフガイドを実行中でも、彗星などの移動天体は点状にはなりません。全フレーム保存をしておき、後からステライメージでメトカーフコンポジットすることは可能です。
  • 薄明中で、オートガイドができない時は、メトカーフガイドもできません。
  • メトカーフコンポジットを使用するかどうかの判断基準として、露出時間が数十秒程度であれば、ノータッチガイドや通常のガイドでも十分対応できる場合があります。しかし、露出時間が数分に及び、彗星の移動が大きい場合には、メトカーフガイドが彗星を点状に保つための有効な手段となります。

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