メトカーフガイドによる 3I アトラス彗星の撮影
彗星は恒星に比べて移動速度が速く、恒星を基準にオートガイドを行うと、彗星は流れて写ります。彗星を点像として記録するためには、撮影方法を調整する必要があります。
本ブログでは、彗星を止めて撮影する方法として、これまで以下の2つを紹介してきました。
1.彗星を追尾して撮影する方法
オートガイドでは恒星は点に写りますが、彗星は流れて写ってしまいます。そこで彗星をガイドしたいのですが、いろいろ考えてメトカーフガイド機能を作成しました。詳しくは以下をご覧ください。
2.短時間露出で撮影し、メトカーフコンポジットを行う方法
短時間露出で撮影すれば彗星は点状に写ります。その画像を彗星基準でコンポジットするのが「ステライメージ」のメトカーフコンポジットです。詳しくは以下をご覧ください。
アトラス彗星でメトカーフガイドの実力を試す
今回は、1のメトカーフガイドによる彗星追尾撮影で、撮影例を示します。
撮影対象は、人類史上3番目に確認された恒星間天体である3I アトラス彗星(以下アトラス彗星)です。
撮影日は2025年12月18日で、地球最接近の前日にあたります。撮影時、アトラス彗星はしし座付近を移動しており、火星軌道の外側を秒速約70kmで通過していました。移動速度が速いため、恒星基準での長時間露出には適さない条件でした。


撮影結果 彗星は止まり、恒星は流れる
以下は、メトカーフガイドを使用して撮影した5分露出の単画像を拡大したものです。

ガイド対象を彗星に設定しているため、彗星の核は点像として写り、背景の恒星は移動方向に沿って線状に写っています。
撮影条件は以下のとおりです。
- カメラ:ASI294MC
- 望遠鏡:Vixen SD81(F8)
- 赤道儀:EM200 Temma2M
- 撮影ソフト:ステラショット3(メトカーフガイド使用)
- 露出時間:5分
撮影時の等級は、ステラナビゲータによると11.7等級でした。
コンポジット処理でさらに鮮明に
300秒露出の画像を12枚、総露出時間60分としてコンポジット処理を行いました。


ステライメージのメトカーフコンポジット機能を使用し、彗星を基準に位置合わせを行っています。単画像と比較すると、コマおよび尾の構造が明瞭になります。名前の通り彗星らしい姿になっています。
撮影の様子はライブ配信でも
撮影中の様子はライブ配信も行いました。アトラス彗星が撮影毎に位置を変えていく様子がわかります。
「恒星間天体最接近! 3Iアトラス彗星撮影ライブ」
まとめ 彗星撮影の選択肢が広がった
彗星撮影では、
- 彗星を追尾して長時間露出する方法
- 恒星基準で短時間露出を行い、後処理で合成する方法
のいずれかを選択することになります。
移動速度が速い彗星では、短時間露出では撮影枚数が増加しますが、メトカーフガイドを用いることで、比較的少ない枚数で長時間露出が可能になります。本手法は彗星だけでなく、小惑星の撮影にも適用可能です。必要に応じて使い分けてみてください。
※注
メトカーフガイド機能を使用する場合は、ステラショット3を最新の3.0oアップデータ(2026/1/22公開)に更新した状態で使用してください。

