お久しぶりです。最近キャンプとバイクにどはまり中のプラネタリウム事業部のたかのです。近くの目標はバイクの免許を取って、星景写真撮影 兼 ツーリング 兼 キャンプをすること!頑張ります!
大忙しだった10月と11月
10月と11月は星空年鑑2021のプラネタリウム動画の制作に付きっきりでした。今回の星空年鑑2021の目玉はなんといってもVRスコープ!平面版のプラネタリウム動画は長い歴史がありますが、VR版は初の試みです。VRならではの新しい感覚を、ぜひ体験していただければと思います。ただし、長時間動画を観ていると首が疲れてきてしまいますので、適度に休憩を取りつつお楽しみくださいね。
このあたりも実際に星空を見上げている感覚と近いのかも、と制作中に首を痛めながら思いました。
聞かれると悩む質問があります
さて、前置きはここまでにしておいて。私たかのはアストロアーツに入社して3年が経ちました。新卒だったので、右も左もわからない状態だったのが、3年経つとさすがに少しずつ慣れてきました。そんななか、未だに聞かれるとしばらく悩んでしまう質問があります。家族や旧友と会ったとき、名刺交換をするときなど、そこそこの頻度で聞かれる厄介な質問です。それは・・・
プラネタリウム事業部ってどんなお仕事をされているんですか?
悩む理由とは?
もちろん、闇の深いお仕事をしているからどう答えようかと悩んでいるわけではありませんので、ご安心ください。質問に対して上手くパパッと答えられずにいた私は「事業部内の仕事内容を把握していない未熟者だからなのか」と落ち込むこともありました。そうしてふと、上司であるとよださんに相談してみたのです。
プラネタリウム事業部ってどんなお仕事しているの?って聞かれたときに上手く答えられないんです。
わかるわかる。私もいつも悩みます。
わ~~~!!!良かった!!!私だけじゃないんですね!
仕事内容が多岐にわたっているから、あれもこれもとなって上手くまとめて答えられないんですよね。
間違いなくそれですね
というわけで聞かれて悩む理由は、仕事内容が多岐にわたっているからでした。そう言われるとさらに「どんなお仕事をしているんだろう」と気になりますよね。気になったはずです。そこでさらにもうひとつお話があります。
アストロアーツには大きくわけて7つの部署があります。
- 出版局(星ナビ編集部)
- ソフトウェア事業本部
- プラネタリウム事業部
- 事業企画部
- EC営業推進部
- 広報/宣伝部
- 総務/経理部
いかがでしょうか、この中でちょっと謎めいた部署がありませんか?
プラネタリウム事業部・・・
星ナビ編集部は言わずもがな、ソフトウェア事業本部や事業企画部は名前だけでなんとなく「なんかソフトウェアを開発してそう」「なんか事業を企画してそう」ってわかるじゃないですか。プラネタリウム事業部だけ「プラネタリウムはわかるけど一体何してるの?」なんですよ。
ここまで来るとみなさんの心の中の2ストエンジンが絶好調。「早く教えてくれ!」状態になったかと思います。お待たせしました。謎めいたプラネタリウム事業部についてお話させていただきましょう!
メインのお仕事について
天体の運行について学んだり、都会では見ることができない満天の星に身も心も癒してもらったり、生涯学習の場所でもあれば、娯楽の場所でもある。そんな立派な役割を持ったプラネタリウム。
私は小さい頃から科学館・プラネタリウムが大好きで、出身である関西を中心に色んなところを巡りました。高校3年生の受験期には大阪市立科学館へ毎週末通い、学習室で朝から夕方まで勉強したあとに、ご褒美としてプラネタリウムを観る、そんな生活もしていました。
ここでよく考えてみてください。あの綺麗な星たちはどこから出ているのでしょうか?実際に行ったときの記憶を掘り起こしてみると、うーん、大きなドームの中に、座席がいっぱいあって、真ん中に何か機械があったような・・・。
ご名答!
そうです。ドームの中央にある機械から、満天の星が出ているのです。この機械のことを、光学式プラネタリウムと呼びます。仕組みはとっても簡単。本体の中に恒星原板と呼ばれるたくさんの小さな穴が開いた板がはめられており、その恒星原板の下から光をあててレンズを通ると、ドームに小さな光の点=星が映るといった仕組みです。これを光学式プラネタリウムの中でもレンズ式といいます。
小学生のときの自由研究で爪楊枝を使って穴を開けたカップ麺の空き容器と懐中電灯を組み合わせた簡易的なプラネタリウムを作り、寝る前に両親にお披露目したことを思い出しました。レンズ式と仕組みは似ていますが、こちらはピンホール式といいます。
レンズ式の光学式プラネタリウムでは、ひときわ明るい1等星なんかはよりリアルな見え方にするために個別で光源が用意されていたりしますが、ほとんどの星たちは恒星原板を用いてドームに星を投影しています。
プラネタリウム=光学式プラネタリウム。つまり、綺麗な星たちも、宇宙空間も、アニメの番組も光学式プラネタリウムから映し出されてるんだね。
ちょっと待った~!!!
光学式プラネタリウムで出来るのは星の投影だけです。(オプションで機器を追加すれば星座絵などの投影も可能ですが、一旦置いておいて) 宇宙空間やアニメの番組を投影することはできません。
では、誰が投影しているのか?ドームの縁をぐるっと見渡してみたり、ドームの中央あたりや光学式プラネタリウムの近くをよく見てみてください。星とは違った大きな光がありませんか。
これはプロジェクターの光です。パソコンとプロジェクターを接続して、専用のソフトウェアから地元の風景や宇宙空間や番組などなどを操作して、プロジェクターからドームへ映像を投影しています。これをデジタル式プラネタリウムと呼びます。
例えば、講演会などではよくMicrosoft社のPowerPointと呼ばれるソフトウェアを用いて発表を行っていますよね。パソコンでPowerPointを操作して、画面をプロジェクターからスクリーンへ映し出します。デジタル式プラネタリウムもこれと同じ仕組みなわけです。
記憶を辿ってみたけど、プロジェクターらしきものは無かったし、そもそもドーム全体の映像なんて無かったような・・・という方。実は日本における初の光学式プラネタリウムは1937年から(大阪市立電気科学館、現大阪市立科学館)とそれなりに歴史が長いのですが、デジタル式プラネタリウムは20世紀後半からと、新しいシステムなんです。そのため光学式プラネタリウムはあるけれど、デジタル式プラネタリウムは導入していないという施設もあります。反対に、デジタル式プラネタリウムはあるけれど、光学式プラネタリウムは導入していないという施設もあります。
さて、長くなってしまいましたが、プラネタリウム事業部のメインのお仕事は、デジタル式プラネタリウムソフトウェアの開発・投影システムの納入・保守になります。
まとめ
年々、一般の方々の興味・関心は地上から見える星空だけに留まらず、未知の宇宙空間へと広がってきています。到底行くことのできない宇宙の果てまで旅行をしてみたり、地上からの視点ではわかりにくい天体の運行も宇宙視点から見ることでより学びやすくなったことなど、デジタル式プラネタリウムは新しい可能性を生み出しました。そのことから、デジタル式プラネタリウムの需要が非常に高まってきています。全国各地から「アストロアーツのデジタル式プラネタリウムが気になる!」とお問い合わせいただいており、私の自己紹介にあります「全国各地のプラネタリウムを駆け巡っています」に繋がるわけです!
いつかは全国制覇するぞ~!!!
ようやくメインのお仕事の内容をお話することができましたが、続きは次回にしたいと思います。ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました。次回「1年間のスケジュール」「仕事が多岐にわたるとは」色々と書く予定ですので、お楽しみください!