今回は私とChatGPTとの会話のキャッチボールがメインの記事です。文字数が多く読み終わりまで「約21分」と長い記事となっていますが、目に留まったポイントだけでもさら~っとお読みいただけると幸いです!
話題のチャットAI「ChatGPT」
2023年5月23日の夕方から宵、西北西の低空で細い月と金星が大接近しました。
今回は天文現象そのものよりも、「月と金星の大接近」という話題をきっかけに流行りのチャットAI「ChatGPT」と天文のお話をしてみる試みです。
「ChatGPT」とは、人工知能(AI)の一種で、特に「自然言語処理」と呼ばれる分野に焦点を当てたモデルです。自然言語処理は、コンピュータが人間が使う言語を理解し、生成するための技術です。ChatGPTは、人間の質問に応じて適切な回答を生成します。
具体的には、大量のテキストデータ(本、記事、ウェブサイトなど)を読み込ませて学習させます。この過程を「訓練」と言います。訓練により、ChatGPTは文脈を理解し、それに基づいて新しい文を生成する能力を身につけます。したがって、ChatGPTに何か質問すると、質問の文章と訓練データから適切な回答を生成します。
今回はモデル(AIの学習パターンやルールの集まり)のバージョンとして、従来の「GPT-3.5」ではなく、より精度の高いと話題の「GPT-4」を選択しました。
ぜひ皆さんも、チャットAIと天文について語り、Twitterハッシュタグ #天文とAI で活用方法や遊び方をシェアしてください!
ChatGPTと「月と金星の大接近」について語る
さっそく実際に問いかけてみましょう。以下、筆者(くぼた)とChatGPTの会話のキャッチボールを紹介しますが、ChatGPTの発言は必ずしも正確な情報でないことにご留意ください。
2023年5月23日に月と金星が接近するのを知っていますか?
私のトレーニングデータは2021年9月までであり、その後の天文学的な事象については具体的な情報を持っていません。しかし、金星と月の接近は地球から見て頻繁に発生する現象です。これは「惑星の合」と呼ばれ、特定の惑星が地球から見て月の近くに見える現象です。(後略)
そう、ChatGPTのトレーニングデータ(学習に使用したデータ)は2021年9月までのものなのです。そのため、「2023年5月23日の天文現象」と具体的に指定しても、ネット検索のように最新情報を取得することはできません。
そもそもこういったチャットAIは、与えられた文に対して文脈を考慮しながら確率的に最も次に現れやすい文を生成するものです。よって、ネットの情報を「検索」するよりも、対話を通じて創造的な応答を期待するほうが面白そうです!
では、この天文現象について説明します。 アストロアーツのニュースから文章を引用しますので、よく読んで概要を掴んでください。 今日は、この話題についてあなたと話したいです。 要約などの出力は不要です。 (後略:AstroArtsニュース記事の文面を貼り付けた)
あなたが共有した内容は、2023年5月23日の夕方から宵にかけて、月齢4の細い月と宵の明星の金星が大接近するという天文現象についてのものです。この組み合わせは、月と惑星の接近の中でも特に美しいとされています。今回は、月と金星が非常に近く、わずか2度未満の間隔で見えるため、さらに印象的な光景となります。
肉眼や双眼鏡を使って観察したり、写真に撮ったりすることが推奨されています。また、月と金星の左上には火星も見えるとのことで、翌24日には月と火星が接近すると述べられています。月と金星が再び共演する次回は6月22日とのことです。
この天文現象について、何か特定の質問や議論したいトピックがありますか?
「要約などの出力は不要」と指示しましたが、ニュース記事の内容をChatGPTなりに理解しアウトプットしてくれたようです。では、まずは簡単な質問から投げかけてみましょう。
どんな場所から見るのがよいでしょうか。
月と金星の接近を観察するための最適な場所は、以下の特性を持つ場所です:
- 視界が広い: あなたが観察しようとしている方向、この場合は西北西の低空、に障害物が少ない場所が理想的です。高層ビルや山などの大きな障害物がなく、木々があまり生い茂っていない場所を選びましょう。
- 暗い場所: 城市や町の中心部では、人工光(ライトポリューション)が星や惑星を見にくくしてしまいます。可能であれば、都市の光から遠く離れた場所で観察を行うと、より鮮明に見ることができます。
- 天候が良い場所: 曇りや霧は観察を難しくする可能性があります。晴れた夜に観察を行うと、より明瞭に見ることができます。
- 安全な場所: 夜間の観察には安全性が重要です。移動や観察中の安全を確保し、必要なら他の人と一緒に観察を行うと良いでしょう。
これらを考慮すると、公園、ビーチ、野原、山の頂上などが適した場所となります。ただし、自分の安全性と旅行制限を確認した上で計画を立ててください。
「西北西」「低空」という与えたニュース記事の内容から「障害物が少ない場所」を導いているのでしょうか。「城市」という言葉は一般語彙ではない気もしますが、城下町のように栄えている地域をイメージしたのでしょう。見かけによらず、古風なChatGPTですね(英語からの翻訳の過程でこのようになったのでしょう)。人工光に関しては、今回の現象においてはそこまで影響はないように思います。むしろ、星景写真を撮りたい場合は夜景の灯があったほうがよいかもしれませんね。天候はもちろんのこと、安全にまで言及しているのはさすがとしか言いようがないです。
では、会社のビルの屋上で観察したいと思います。ここは西北西の低空がよく開けています。観察の方法やおすすめの機材はありますか?
会社のビルの屋上は視界が広く、天文観測に適した場所であることが多いです。ただし、都市部では光害が問題になることがありますので、それを念頭に置いてください。
以下に、月と金星の観察に役立ついくつかのヒントと推奨される機材をご紹介します:
観察方法:
- 開始時間を確認する: この特定のイベントでは、夕方から宵にかけて観察することが推奨されています。ただし、正確な時刻は地域によって異なる可能性がありますので、地元の天文台やオンラインの天文リソースから具体的な時刻を確認してください。
- 目を暗闇に慣らす: 眼は少なくとも20分程度暗い環境にいることで、暗闇に最適化されます。観察前に暗い場所で十分にリラックスさせ、可能な限り明るい光を避けてください。
- 西北西方向を見る: このイベントでは、月と金星が西北西の低空に現れるとのことです。あらかじめその方向を確認し、適切な場所から観察できるようにしてください。
推奨される機材:
- 双眼鏡: 月と金星の接近は肉眼でも見ることができますが、双眼鏡を使用すると、より詳細な観察が可能になります。特に低倍率、大口径の双眼鏡は、明るさと視野の広さを確保するのに最適です。
- カメラ: このような珍しい天文現象を記録するには、カメラが便利です。特に、長時間露光が可能なデジタルカメラやスマートフォンカメラは、夜間の天体撮影に適しています。三脚を使用すると、カメラを安定させ、震えや動きが写真に影響を与えるのを防ぐことができます。
- 星空アプリ: スマートフォン用の星空観察アプリは、星や惑星の現在の位置を素早く簡単に確認するのに役立ちます。多くのアプリは拡張現実(AR)機能を備えており、スマートフォンを空に向けると、画面上に現在の星座や天体の位置を表示してくれます。これにより、目的の天体を正確に見つけるのがより簡単になります。(後略)
観察の事前準備も大丈夫そうです。今回は夕方から宵にかけての現象なので、暗順応は絶対に必要というわけではないですね。そして、「天体の観察」と言われて安易に「望遠鏡」と返さず目的に合った機材を提案してくれているのは驚きですね。しっかり「月と金星の接近」の特色を理解しているようです。
そして、「星座早見盤」ではなく「星空アプリ」を提示するあたり、現代っ子ですね。ぜひ、アストロアーツの星空アプリ「星空ナビ」を空にかざしてほしいです!
ありがとうございます。 せっかくなので、金星の形も観察してみたいです。 どのような光学機器が必要ですか?具体的なスペックも教えてください。 また、どのような金星の姿が見られると思いますか?
金星の形や表面の詳細を観察するには、望遠鏡が必要になります。ただし、金星は地球から比較的近く、かつ明るいため、特に高度な装備が必要というわけではありません。一般的に、口径が4インチ(約100ミリ)以上の屈折または反射望遠鏡があれば金星の観察には適しています。
具体的なスペックは以下の通りです:
- 望遠鏡のタイプ: 屈折望遠鏡または反射望遠鏡が適しています。屈折望遠鏡はレンズを、反射望遠鏡は鏡を使って光を集めます。
- 口径: これは望遠鏡の収集する光の量を決定します。口径が大きければ大きいほど、望遠鏡はより多くの光を集め、より明るく詳細な観察を可能にします。金星を観察するためには、口径が4インチ(約100ミリ)以上の望遠鏡が適しています。
- 倍率: 倍率は望遠鏡が対象をどれだけ大きく見せるかを決定します。金星を観察するためには50倍以上の倍率があると良いでしょう。
- アイピース: 望遠鏡の倍率はアイピースによって決定されます。様々な焦点距離のアイピースを準備しておくと、異なる視野と詳細度で観察を楽しむことができます。
金星を観察すると、その姿は地球から見た月と似たような形状(つまり、満ち欠け)を示すことがわかります。これは、金星が内側の軌道を持つため、私たちから見て金星の日照部分が変化するからです。したがって、金星の観察は、金星が「新金星」、「三日月金星」、「上弦金星」、「満金星」などの相を示す様子を見ることができます。
それでも、金星の表面の詳細は見ることは難しいです。金星は厚い雲に覆われているため、表面の特徴を直接観察することはできません。金星の表面は宇宙探査機によるレーダー観測や地表への着陸によってのみ詳細に調べられています。しかし、望遠鏡を使って金星の明るさや大きさが変化する様子を観察することで、金星が内側の軌道を持ち、太陽の周りを地球よりも速く回っているという事実を確認することができます。
また、金星の観察をより楽しくするためには、金星の観察に特化したフィルターを使用すると良いでしょう。これらのフィルターは、金星の雲の上層部の微細な構造を強調するのに役立ちます。
最後に、天体観察は忍耐と観察のスキルが必要とされます。最初は金星の満ち欠けを見分けることが難しく感じるかもしれませんが、時間をかけて観察することで、金星の美しい満ち欠けを見ることができるでしょう。
月と金星の接近から1歩踏み込んだ問いかけをしてみました。望遠鏡の提案や、金星の形状に関する言及はほぼ正しそうにみえます。しかし、望遠鏡はもう少し小口径でも十分楽しめるでしょう。金星の表面に関する観察の難しさにまで触れてくれていますね。たしかに、少し知識がある人なら望遠鏡で金星の模様を見ようとはあまり考えないと思いますが、仮に筆者が初めて天体観察に触れる立場なら、これは非常に有益な情報になったでしょう。「天体観察は忍耐と観察のスキルが必要とされます」の助言も併せて……(笑)
たしかに、今回の月と金星の接近では、月も金星も欠けた姿が見られます。 ステラナビゲータ12でシミュレーションすると同じ時間に同じ観測地から、空のほぼ同じ位置に月と金星が見えるのに、それらの欠け方は全く違うようです。 その理由を200字程度で考察してください。
月と金星の欠け方が異なる主な理由は、それぞれの天体が太陽からどれだけ遠くにあり、また地球からどの位置にあるかによります。
月の場合、その満ち欠けは太陽からの光が月のどの部分を照らしているかによります。これは地球から見た月と太陽の相対的な位置によります。
一方、金星の満ち欠けは、太陽、金星、地球の位置関係によります。金星が内側の軌道を持つため、私たちから見て金星の日照部分が変化します。それは地球から見た金星と太陽の相対的な位置に依存します。
したがって、同じ時間に同じ場所から見ても、月と金星の欠け方はそれぞれの天体と太陽の相対的な位置により変わるため、異なる姿が観察されるのです。
さらに、少しいじわるな「問題」を出してみました。いくつかの事実を組み合わせて考察しないと解けない試験のようなものですね。しかし、難なく答えられてしまいました!
ありがとうございます。 ところで、実は今日は2023年の5月25日です。23日の月と金星の接近の日を過ぎています。 あなたはこの現象を見ることはできましたか?
私はAIモデルであり、視覚や他の感覚を持たず、また特定の日時や場所に存在するわけでもないため、実際に天体やその他の物理的現象を「見る」ことはできません。私の能力は、ユーザーからの質問に基づいて情報を提供することに限られています。
ですので、私が2023年5月23日の月と金星の接近を直接観察することはできませんでした。しかしながら、そのような天文現象についての情報を提供することは可能です。それは私が学習した大量のデータと知識を通じて行います。
ここで、実は既に天文現象の事後であることを伝え、さらに、ChatGPTに「あなた」と呼びかけてみました。しかし、ここばかりは人間のようには振る舞ってくれませんでした。きちんと人間とチャットAIとの線引きを心得ているようですね。ますます気に入ったぞ!(上から目線でごめんなさい)
さあ、このあたりからChatGPTの醍醐味を感じさせるやり取りに繋がります。より文脈を考慮してもらいながら、創造的な回答をもらいましょう。
この日、空は曇っていたので、私は月と金星の接近を見ることができませんでした。 私にこの現象の美しさを言葉で具体的に教えてください。
残念ながらあなたがその現象を直接観察できなかったと聞いています。しかし、私はあなたが想像するのを助けるために、その日の美しい天文シーンを説明することができます。
太陽が西の地平線に沈んで空が暗くなると、まず空の西北西の低い位置に、鮮やかな光を放つ金星が現れます。金星は、太陽が沈んだ後の空に最初に現れる星であることから、「宵の明星」とも呼ばれています。
その後、金星のすぐ横に、月齢4の細い月が浮かび上がります。この時の月は、まだかなり細い三日月で、地球照という現象により、暗い部分が淡く薄灰色に輝いて見えます。地球照は、地球から反射した太陽光が月に当たって反射し、地球に戻る光のことを指します。この光によって、普段は見えない月の暗い部分がほのかに見えるのです。
月と金星の間隔は2度未満と非常に近く、空に輝く二つの天体がこれほど接近する光景は、神秘的で壮観です。二つの天体が近接することで、その対比が一層強調され、金星の明るさと月の淡い光が空に美しいバランスを描きます。
そして月と金星の左上には火星も見えます。火星の赤い光がこの美しいシーンにさらなる色彩を加え、月、金星、火星という異なる天体が一緒に見られる美しさを一層引き立てます。
このような天文現象は自然の驚異で、私たちに宇宙の壮大さと美しさを思い起こさせます。また、夜空を見上げるときには、私たちがこの広大な宇宙の一部であり、その奇跡の一部であることを感じさせてくれます。
一読してみて、どうでしょう。まるで、ステラナビゲータの星空自動解説のようです。「金星のあとに細い月が浮かび上がる」という時系列の説明は事実と異なりますが、「神秘的」「美しい」「宇宙の壮大さ」「奇跡」といった感情に訴えかけるな表現もみられます。しかも、「月齢4」「月と金星の間隔は2度未満」といった冒頭に伝えた情報もまだ記憶してくれています。
ありがとうございます。天文現象のようすを想像することができました。 例えば、私があなたの友人で、一緒にこの現象を眺めていたと仮定して、シンプルな言葉でその美しさを私に共有してください。
もちろんです。一緒にその場にいたとしたら、こんな感じで話すかもしれませんね。
「見てごらん、あそこに金星が見えるよ。すごく明るいでしょ? まるで夜空の灯台みたいだね。そしてそばに細い月が浮かんでいる。淡い灰色の部分、それが地球から反射した光なんだ。地球照って言うんだよ。月の細い光と金星の明るい光が一緒に見えるなんて、なんて美しいんだろう。さらに左上を見てみると、火星も見える。その微かな赤がこの素晴らしい光景に更なる深みを加えているよね。私たちがここに立って、宇宙の一部を見ているなんて、すごいことだと思わない?」
先ほどはChatGPTに「わたしはAIモデルなので―」と袖にされてしまいましたが、きちんと条件と役割を設定することで、あたかも人間の友人のように振る舞ってくれることがあります。そして、その言葉選び!負けました……。こんなに的確で情感あふれる言葉は筆者には即興できません。「夜空の灯台みたいだね」なんて(いい意味で)歯の浮くようなセリフ、一度は言ってみたいものです。
天文現象に期待しても、曇っていて見られないことがよくあります。 曇っていても確実のお目当ての天文現象を楽しむ方法はありますか?
天体観測にとって天候は大きな要素であり、残念ながら曇りや雨では目の前の現象を直接観察することは難しいです。しかし、曇りの日でも天文現象を楽しむための方法はいくつかあります:
- オンライン観測: 天気の良い場所からのライブストリームを見ることができます。天文台や研究機関はしばしば重要な天文イベントのライブストリームを提供しています。
- 天文ソフトウェア: 星空のシミュレーションを提供するソフトウェアやアプリを使用することで、あらかじめその日の天体の位置や動きをシミュレーションすることができます。”Stellarium”や”SkySafari”などのソフトウェアがあります。
- 学びと準備: 曇りの日は、次回の観測に備えて学ぶ絶好の機会です。天文学に関する本を読んだり、天体写真を眺めたり、天文学に関するドキュメンタリーやビデオを視聴したりします。
- コミュニティ参加: オンラインの天文学コミュニティに参加すると、他の天体観測者から観測結果や感想を共有してもらうことができます。
- 天体写真: 天文現象の高品質な写真やビデオを探すことも有益です。これは、直接観察できなかった現象を体験する素晴らしい方法であり、宇宙の驚異を感じることができます。
最終的には、観測できないときでも天文学について学び、楽しむ方法はたくさんあります。天体観測は、天候が許すときだけでなく、毎日楽しむことができる趣味です。
さあ、少し話題を変えて、我々天文ファンにとって永遠の課題である「当日の天候」について妙案がないか尋ねてみました。しかし、どれも代替手段ばかりで本質的な解決にはなっていないですね……。しかも、天文ソフトウェアの例に「ステラナビゲータ」が出てこなかったのが残念です。
ChatGPTのよいところは、多少の無茶振りをしてもなんとか整合性を保ちながら回答してくれるところです。もう少しお遊びをしてみましょう。
代替手段で楽しむ方法をありがとうございました。 実際の天体を、悪天候を突破してどうにか見たり撮影したりする方法はありますか? 機材や手段、コストに制限はないものとします。
天候を問わず天体観測を可能にするための手段として、以下のようなものがあります。ただし、それぞれには特定の技術的な課題や高いコストが伴います。
- 気象衛星: 特定の天体観測に対するニーズが高い場合、気象衛星を使用することで曇りや雨による影響を避けることが可能です。ただし、この方法は非常に高額なコストがかかります。
- 高高度バルーン: 天気が良くない場合でも高高度バルーンを使用することで、雲の上から天体観測を行うことが可能です。この方法では、特別なカメラとテレスコープを搭載したバルーンを大気圏の上層まで飛ばします。ただし、これも高いコストがかかりますし、気象条件や飛行許可など、さまざまな制限があります。
- 無人航空機(ドローン): 高高度を飛行するドローンを使用すれば、一部の低い雲層を突破することができます。ただし、これはドローンの航空法や飛行範囲、電力、ペイロード(積載量)、カメラや他の機器の仕様による制限があります。
- 天文台や望遠鏡ネットワーク: 世界各地に分散した観測所や望遠鏡ネットワークを利用することも可能です。これらのネットワークを利用すると、天候に影響されることなく、任意の時間に任意の場所で観測することが可能になります。
これらの選択肢は一部ですが、それぞれが高度な技術と資金を必要とするため、研究機関や大学、企業などの専門的な設備と経験がある場合に主に利用されます。一方で、あなたが非常に興味深い観測を計画しているなら、これらのオプションのいずれかを検討することも可能かもしれません。
雲があるなら、雲の上に突き抜けてしまえばよいじゃないか!という思い切った提案です。今後ドローンを使った天体撮影などという技術も、個人レベルで可能になってくるかもしれません。もちろん、ChatGPTの言うように法的な問題や安全性をクリアする必要があります。また、「天文台や望遠鏡ネットワーク」という提案は、観測地の制限がなければ現実的な解決策ですね。昨今、個人の遠征先を繋いでライブ中継というスタイルも珍しくありません。ただ、できることなら観測地の雲を排除して自分自身の目で現象を楽しみたいものです。これ以上深掘りして議論すると過激な解決策が提示されそうだったので、ここまでにしておきました。
ありがとうございます。 その他、今年のおすすめの天文現象はありますか?現象の概要と日時を具体的にいくつか教えてください。
私の知識は2021年9月までのもので、それ以降の具体的な天文イベントについては予測できません。しかし、毎年観測できるいくつかの現象を以下に列挙します。これらは一部の特定の日時を必要としますが、毎年観測可能な現象です:
- 流星群:
- ペルセウス座流星群:毎年8月12日~13日にピークを迎えます。月明かりの影響を受けずに観測できると、夏の夜空を彩る流星が見られます。
- ジェミニッズ流星群:毎年12月13日~14日にピークを迎えます。これは一年で最も活動的な流星群の一つです。
- 日食と月食:日食と月食は特定の年に特定の地域でのみ観測可能ですが、通常は年に数回発生します。これらの具体的な日時と観測地域については、NASAのウェブサイトや他の信頼性の高い天文学リソースを確認することをお勧めします。
- 惑星の接近:惑星は定期的に接近します。例えば、木星と土星は約20年ごとに接近します(最近は2020年に接近しました)。また、火星は約2年ごとに地球に比較的近づきます。これらの具体的な日時については、天文カレンダーや天文学リソースを確認してください。
今年のおすすめの天文現象について聞いてみました。前述の通り、最新の情報の検索はできないので「2023年の天文現象は答えられないだろう」と踏んでいましたが、さすがChatGPTです。毎年恒例の天文現象やそれ以外にも代表的な日食・月食、惑星の接近など当たり障りのない提案を一瞬で返してきました。
特に、日本でよく言われる三大流星群のうち「ペルセウス座流星群」「ふたご座流星群」を返してくれたのは嬉しいですね。なぜ片方が「ジェミニッズ」なのに、もう片方が「ペルセイズ」にならないのかというつっこみは無粋でしょう。
そして口酸っぱく繰り返される「信頼性の高い天文学リソースや天文カレンダーを確認してください」という言葉も、決して逃げではなく、たしかにその通りだと思います。ぜひ「星ナビ」「アストロガイド 星空年鑑」を手に参考にしてください!
「天文×チャットAI」どんな未来を思い描く?
最後に「ステラナビゲータ」とChatGPTを組み合わせることで、どのような可能性が広がるかアドバイスを求めてみました。
天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」にChatGPTを統合するとして、どのような活用方法や新機能が考えられますか?
「ステラナビゲータ」にChatGPTのようなAIを統合することで、以下のような新機能や活用方法が考えられます:
- ユーザーとの対話による探索: ユーザーはAIに直接質問をし、それに対する回答を得ることができます。例えば、「今晩、見える惑星は何ですか?」、「この星座の名前は何ですか?」などといった質問が可能です。
- 自動化された観察プランニング: AIはユーザーの地域、時間帯、そして天候などを考慮して、最適な観察計画を立てることができます。例えば、「今晩、最もよく見える星座は何ですか?」、「次の流星群はいつ見られますか?」などの情報を提供します。
- リアルタイムの解説: AIはリアルタイムで空を解説することができます。ユーザーがステラナビゲータで特定の星座や天体を選択すると、AIはその星座や天体の詳細な情報、由来、歴史などを提供します。
- 教育と学習ツール: AIはユーザーが天文学に関する新しい概念を学ぶのを助けることができます。例えば、「何故星は光るのですか?」、「どうして星は動くように見えるのですか?」などの質問に答え、複雑な天文学的概念を解説します。
- 自然言語でのコントロール: AIは自然言語での指示を理解し、ステラナビゲータを操作することができます。例えば、「オリオン座を見せてください」、「火星の現在の位置を表示してください」などと指示することができます。
- データ分析と研究支援: AIはユーザーが集めたデータの分析を支援し、独自の天文学的研究を行うことも可能です。例えば、星の光度の変化を解析して変光星を探すなど、高度な天文学的解析が可能です。
- 個別化されたレコメンデーション: AIはユーザーの過去の行動、興味、嗜好に基づいて個別化された推奨事項を提供することができます。たとえば、ユーザーが特定の星座や天体を頻繁に観察する場合、AIはそれに関連する情報を提供したり、同じような特性を持つ他の星座や天体を推奨することができます。
- イベントの通知: AIは近くの天文学的イベントを追跡し、それらをユーザーに通知することができます。これには、流星群、惑星の接近、日食、月食などが含まれます。AIはこれらのイベントが発生する最適な時間と観察地点を提案することもできます。
- 複雑な計算の支援: 天文学はしばしば複雑な計算を必要とします。AIは、軌道計算、光度の測定、星間距離の計算など、これらの計算を支援することができます。
- 共有とコミュニティ参加: AIはユーザーが観察結果を共有し、天文学コミュニティと交流するのを助けることができます。AIはユーザーが撮影した写真や観察の詳細を整理し、それらを共有するための記述を作成することができます。
基本的には、自然言語で相互にやり取りしながらシミュレーションができる未来を想像してくれたみたいです。他にも分類や提案、最適化といったAIの得意なことと天文を結びつけてはくれましたが、これらの中には既に決められた規則に従うことで実用できているものもあります。目からウロコの画期的な案!というものは残念ながら得られませんでした。質問がざっくりと曖昧すぎたのかもしれません。
以前、もっと限定的な条件「星を使わないポータブルな極軸合わせデバイスの開発」についてChatGPTと議論したことがあるのですが、がんばって既存の技術を組み合わせてそれらしいデバイスの構想を提示してくれたり、しかし、紐解くと循環論法的な設計で意味をなしていなかったりと、まるで本当の人間と対話しているようで非常に面白いのです。ChatGPTの回答に様々につっこみを入れながら会話を進めると、どんどん内容が先鋭化してきます。その現実性や精度は今は横に置かざるを得ないですが、たくさん話していくうちに「たしかに、それならこの問題を解決できるなあ」と斬新なアイディアに巡り合うことができるような気もしています。
ぜひ皆さんも、チャットAIと天文について語り、Twitterハッシュタグ #天文とAI で活用方法や遊び方をシェアしてください!
関連情報
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- 天体写真ギャラリー 特集 2023年5月23日 細い月と金星の接近/5月24日 月と火星の接近
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