VR(バーチャルリアリティ)。まだまだ私達には無関係…そう思っていましたが、新しい技術は私たちのすぐ側まで迫ってきているようです。今、「新しい星空の楽しみ方」としてVR空間で宇宙や天文を楽しむ試みを行なっている人たちがいます。
そんな、VR環境で宇宙を楽しむ活動を紹介する特集記事「宇宙×VRでつながろう」を星ナビ4月号で掲載しました。
星ナビ4月号ニュース→http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11870_hoshinavi
4月には、記事で協力いただいた天文仮想研究所と星ナビのコラボ企画も開催。天文仮想研究所主催の「グランドツアー」にて、星ナビ編集部もVR講演を行いました!
講演で使われたVR空間「ワールド」には、歴代「星ナビ」の表紙が並んでいたり、編集部おすすめの記事が読めたり、見上げるとアストロアーツ提供の星空浮かんでいます!
パネル展示も楽しめる講演会なんて未来の講演会みたいでわくわくしました! せっかくならイベントの経緯や裏側を聞いてみたい!
ということで、担当編集で実際にVR講演をした星ナビ編集部のふじたにインタビューしました。
ふじたです。よろしくお願いします〜!
(アイコンイラスト/由女さん)
面白そうだったので掲載!不思議なファーストコンタクト
ーー まずは天文仮想研究所(VSP)の記事を掲載するに至った経緯を教えて下さい!
(ふじた)「天文仮想研究所 VSP(以下天文仮想研究所)」の発起人である「ろれる」氏から読者の投稿コーナー「星ナビひろば」にイベントの告知掲載をいただいたのがファーストコンタクトです。2020年2月のことでした。
我々は天文仮想研究所 VSPといいます。何をしている団体かと言いますと、各個人のインターネットを繋がっているパソコンを使い仮想空間でVR機器を使って、宇宙に関する、例えば、ロケットの打ち上げを見たり、プラネタリウム空間で星空案内をしたりしております。(中略)恐らく、この文面を見られた方は「どんなものか一切わからない」となると思いますので、ご興味がありましたら、TwitterID「@roreru963」までお気軽にご連絡ください。(投稿内容より抜粋)
実はツイッターを見てもさっぱりわかりませんでしたが、面白そうなことだけは伝わったので、「星ナビひろば」に掲載しました。
ーー 私も「ひろば」の投稿を見たときは衝撃を受けました(笑)
(ふじた)その後、連載エッセイ漫画「星の召すまま」の由女さんとテーマの打ち合わせで「よくわからないけどレポートどうでしょう」という流れになり、「ろれる」さんへ取材して、月1回の集会に参加し、その様子を2020年2月号「星の召すまま」で掲載。
集会の様子を由女さんの隣で一緒に見たり、過去のイベント・集会のログを見たりして「これは特集1本いけるのでは」と感じ、「ろれる」さんに直接連絡して、記事化に向けて相談が始まりました。
ーー「ひろば」の投稿から特集記事になるなんて、おもしろいですよね。自分たちのやっている活動を星ナビ編集部に送ったら特集記事に?! みたいなことがこれからもあるかもしれませんね。
星ナビ表紙が一挙に並ぶ特設ワールド
ーー 実際のイベントは、「星ナビ」のこれまでの表紙が並ぶ特設ワールドで行われていましたね。どのように準備が行われたのでしょう?
(ふじた)「星ナビ」での掲載時期と合わせて、天文仮想研究所とのコラボイベントはどうか、という話になり、「VRChat」ユーザーと「星ナビ」読者どちらも楽しめるテーマとして「星ナビスタッフによるトーク」案が出てきました。
アストロアーツのVRコンテンツと、「星ナビ」の内容で遊べるような場にしたいと考え、『星空年鑑2021』付録のVR星空案内番組が星空として流れて、「星ナビ」のバックナンバーや過去の表紙を眺められるワールドを提案したところ、ぜひにと言っていただきました。
ーー 「星ナビ」過去記事が回廊に並んでいるのも壮観でしたね。
(ふじた)当初は、「平面コンテンツである星ナビの表紙や過去の記事は、VR空間としてはおもしろみに欠けるのでは?」とも思いましたが、天文仮想研究所のみなさんが、20年分の表紙を通路の両端にみっちり並べたレイアウトを考えてくださって、その様子を見て「これはVRにしかできない演出だ……!」と嬉しくなりましたね。
ワールドに貼りだすことにした過去の記事は全部で7本。来場者にわくわくしてもらえるよう、テーマのバリエーションとビジュアルインパクトでセレクトしました。
なかなか聞けない「星ナビ」の作り方
ーー 当日の講演では「印象的だった取材や記事」のほか、記事の作り方みたいなところもお話されていましたね。
(ふじた)事前に「星ナビ」ツイッターで「どんなお話がいいですか?」とアンケートをとったところ、「印象的だった取材や記事」がトップだったので、「天文仮想研究所の記事がどんなふうにできたのか、編集仕事の部分を紹介にプラスして、おもしろかった記事のエピソードを話そう」と決めました。
「できあがった星ナビ」になる前の、実作業の段階というのはふだん公開することはないので、画像セレクトの基準や、ラフレイアウトからデザイナーさんの完成まで、「徐々に形になっていく」様子が見えるような資料を用意しました。ラフレイアウトは描きなぐりなので、ちょっと恥ずかしかったですけどね。
ーー 天文仮想研究所の皆さんとたくさん準備をされてきたんですね。当日の講演はどうでしたか?
(ふじた)当日は、乗り物酔いしやすい体質のせいか、VR空間に慣れていないためか、公開前のワールドをうろうろして酔ってしまったり、ワールドへの入り方がわからず遅刻したり……。
講演スタート直後にPCがフリーズして講演者(私)が消える、なんてこともあり申し訳ありませんでした。
ーー ライブならではのアクシデントですね……。講演を終えての感想はありますか?
(ふじた)「天野ステラ」さんはじめスタッフの皆さんの迅速かつきめ細やかな対応で、おかげさまで音声だけではありますが、なんとか講演を終えることができました。スタッフにも、来場してくださった方にも迷惑をかけてしまいましたが、本人はわりと楽しんでいました。
貴重な機会を設けてくださった天文仮想研究所のみなさん、見に来てくださった方々、ありがとうございました。私のせいでいろいろギリギリでギチギチだったので、またのチャンスがあれば、VR空間でみなさんとのんびりお話などしてみたいと思います。そのときに備えて、酔いどめを用意しておきますね(笑)
ーー VRでの講演会、新しい取り組みですごくわくわくしました。ありがとうございました!
講演の様子はYouTubeで公開中!
「グランドツアー」での講演のようすはYouTubeで公開されています(動画はこちら)。
動画内では天文仮想研究所の皆さんが作られた素敵なワールドが見られるほか、星ナビ編集部のふじたが「星ナビ」の裏話を語ります! ぜひ覗いてみてくださいね。