ベランダで星雲・星団を撮影したい!+α

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序幕

ある日のこと

アストロアーツの新人くぼたは上司である上山に嬉々として雑談を振るのでした。

上山さん!ベランダに望遠鏡を設置して、おうちで撮影できるようにしてみました!

いいね、どんどん撮ろう!

また、ある日のこと

上山さん!僕の望遠鏡とカメラに合うレデューサーを自作してみました!

そういうチャレンジを、ブログやツイッターで公開してみてはどう?

でも、まだまだ未熟な僕の自分流「やってみた」ことなんて…。載せてもいいのでしょうか?

ぜひ、いろいろトライする様子を伝えてみよう!

はじまり

 そんなわけで、改めましてアストロアーツの新人くぼたです。 小中学生の頃は天文少年でしたが、しばらくのブランクがあります…。 最近また1から楽しみ直している、「出戻り天文少年」もとい「天文壮年」です。

 本来の業務とは別に、いろいろ個人的に試してみたことをこちらのブログで発信してみることになりました。 あくまで新人くぼた個人の試行錯誤の記録であり、弊社が公式に推奨する手法ではない点のみご注意ください。

まだまだ、殺風景なこちらのブログですが、そのうちコメント欄やインデックス、カテゴリやタグ検索など機能を 拡張していく予定です。どうぞよろしくお願い致します。

ベランダで星雲・星団を撮影したい!

望遠鏡を設置

 新型コロナウイルスの影響により、遠征はもちろん、近くの公園にいくのもはばかられます。 それならベランダに望遠鏡とカメラを組んでしまおう!と思い立ったのが5月の半ば。

 思い立ったはいいものの、なんせ狭い狭い一人暮らしのアパートのベランダです。 おまけに洗濯機も鎮座してこちらの様子を伺っています。

このスペースに三脚・赤道儀を設置して、しかも鏡筒を振り回せるのか…?

じゃじゃん、なんとかなりました。

 真南を向いたベランダのコンクリート面に、木製の円板を配置して場所を定め、 洗濯機をまたぐ形で三脚を設置。洗濯機はやや「解せぬ…」といった表情にみえます。

使用機材は以下のとおりです(すべて私物)。

  • Sky-Watcher EQ3 GOTO
  • Vixen R130Sf
  • Canon EOS Kiss M
  • SVBONY SV106
  • ZWO ASI120MM-mini

 当初、比較的小ぶりな Vixen VMC95L を取り付けていたのですが、 意外とスペースに余裕があったため、上記のニュートン反射に切り替えました。 テレスコープイーストの状態だと扉の開閉ができないこと以外は良好です。

 いざ、撮影!

 ベランダから部屋の中に USB ケーブルを引くのもありですが、 せっかくなのでステラショット2+GearBoxを使って無線で望遠鏡制御・撮影してみることに。

 ガムテープで固定してみましたが、やっぱりちょっとかっこ悪いし不便です(しかも、逆さまだし。。。)。 先日の記事 のようにクランプで固定するか、何か自作できないかと思案中です。

 最初は望遠鏡がぶつからないか、やっぱり怖かったので部屋の中の PC で「導入」してから即座に ベランダへ駆け寄り、恐る恐る様子を伺っていました。ふむふむ、問題なし。

 ベランダから観察可能な空の範囲が限られていることもあり、今後はなるべく鏡筒反転をせずに 運用してみようと思いました。

 我が家は都心から少し離れているとはいえ、住宅密集地で肉眼だと3等星がギリギリといった光害地です。 決していい条件とはいえませんが、これは逆に燃えるというものです。

 あれこれ作業をしているうちに、折から薄明開始間近。からすカーで夜が明ける前に、三裂星雲でも撮ってみましょう!M21 も画角に入れてと…。

  • 望遠鏡   :Vixen R130Sf (d=130mm, f=650mm) F5
  • カメラ   :Canon EOS Kiss M
  • 露出・感度 :ISO100/180s(JPEG撮って出し1枚)

 淡いけれど、写っているぞ!(なんだか光軸と斜鏡の位置が微妙だけど…) 上記の条件で12枚撮影し、ステライメージ8でコンポジット・だいぶ強めに画像処理をしてみました。

  • 望遠鏡   :Vixen R130Sf (d=130mm, f=650mm) F5
  • カメラ   :Canon EOS Kiss M
  • 露出・感度 :ISO100/180s × 12 (36min)
  • 画像処理  :ステライメージ8(セルフフラット補正、トーンカーブ調整、色彩強調など。トリミング済み)

 暗黒星雲がにょきにょきと、その構造が見て取れておもしろいですね。

おわりに

 こんな感じで早足でしたが、ひとまずベランダから星雲を撮影することができました。

メリット

  • 自粛中も居ながらにして天体撮影ができる
  • 据え付けを工夫すれば10分で準備ができる
  • 自宅のPCを使うので、次の天体を撮影しながら今撮った画像の処理もできる
  • 自宅のネット回線を使えるので、オンライン配信もできる
  • エアコンの効いた部屋で電視観望しながら冷蔵庫に手が届く

デメリット

  • ご近所の迷惑に細心の注意を払わなければならない
  • 南の空のごく一部しか撮影対象にできない
  • 光害をもろに受ける
  • ゆったり眼視できない
  • 部屋の中に蛾が入ってくる\(^o^)/

 自粛の不自由にうつむくばかりではなく、この制約条件をむしろ楽しんで(他人様に迷惑をかけない範囲で) 天文趣味を継続できるとよいですね!

関連情報

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