ステラナビゲータで国際宇宙ステーションを探そう

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夏の暑い一日が終わってほっとする夕暮れの頃は、星空を見上げる機会も増えますね。涼しくなってきた夕方に空を見上げると、明るい星が音もなくスーッと動いていくのを見かけることがあります。飛行機?いや、もしかしたら人工衛星かもしれませんよ。

いつも星を見ている方は、人工衛星を目にしたことがあるかもしれません。まだ見たことがない方は、この機会にぜひ探してみてください。飛行機の場合はエンジン音が聞こえたり光が点滅していたりするので、人工衛星と見分けることができます。

人工衛星の中でも、特に国際宇宙ステーション(ISS)は明るい光を放ちながら空を移動していくので、すぐにわかります。今日は、ステラナビゲータ12を使って国際宇宙ステーションを探してみましょう。

人工衛星は必ず最新のデータで調べよう

人工衛星は、恒星や惑星と違って地球の大気や地上からの軌道変更の指示などさまざまな影響でその動きが変化します。そのため、ステラナビゲータで人工衛星の位置を調べる前にはデータを最新の情報に更新しておきます。ステラナビゲータを起動して「星図モード」にしたら、「ツール」メニューから「データ更新」を選択してください。「データ更新」ダイアログが表示されたら、人工衛星をより正確に表示するために「設定」ボタンを押し、「人工衛星データ更新頻度」を「毎日」にして「OK」ボタンを押しておきましょう。

データ更新の設定

次に「更新をスキャンする」をクリック、続けて「更新を実行する」をクリックすると、新しいデータをダウンロードして更新します。更新が完了したら「閉じる」ボタンでダイアログを閉じておきます。これで準備ができました。

「データ更新」で最新情報を取得しておこう

夕方の空で国際宇宙ステーションを探そう

さあ、ISSを探してみましょう。最初にメニューの「編集」から「初期化」を選んで星図を初期状態にしておきます。次に、星図の時刻をISSを見たい日の夕方にします。星図の時間を変えるには、星図のすぐ上にある「ステラパッド」に表示されている日付や時刻の数字の上でマウスの左または右ボタンをクリックします。例えば「2023/08/04 19:20:00」にしてみましょう。

ステラパッドで日時を合わせる

※以下は、場所を「東京」にして説明しています。人工衛星は地球に近い位置をまわっているために、どの地方で空を見るかによって見え方が大きく変わります。そのため、ステラナビゲータで「場所」を変更している方は、少し違った表示になります。

実はこの時間の空にはISSが見えています。ツールバーの「方位」ボタンから「西(W)」を選んで、西の空を表示します。

ツールバーで西の空を見る

ISSが見つかりませんね。では名前を表示してみましょう。星図の上の方にある「リボン」のタブの中で「流星・人工天体」を選択して、「ISS」の「表示」ボタンを押してください。

リボンの「流星・人工天体」でISSを表示

星図に「国際宇宙ステーション」という名前が表示されています。

夕空の国際宇宙ステーション

この名前ラベルの左側にISSがいるはずなので、そのあたりをクリックすると「天体情報」というウィンドウが表示されます。ここにはISSが見える方向や、その時のISSの実際の位置、地上からの高さなどが表示されます。このウィンドウの下には、アストロアーツのWEBに投稿されたISSに関連した画像も表示されています。

ISSの情報を表示する「天体情報」

人工衛星の経路を表示しよう

次に、ISSが時間ごとにどの方向に見えるかを調べてみましょう。先ほどのリボンの「流星・人工天体」の「ISS」から「経路」ボタンを押すと、ISSの動く経路や、その位置を通る時間が表示されます。これを見ると、ISSは19時16分頃に西北西から昇り、19時26分頃には南南東に沈んでしまうことがわかります。10分ほどの間にこれだけ移動しますので、空で見つけることができれば明るい星がすーっと移動していくように見えるのです。

国際宇宙ステーションの経路を表示

空のもう少し右、つまり北側を見ると、もう一つの経路が表示されているのがわかります。この線もISSの動きを表していて、17時39分頃に北西から昇り、17時49分頃に東南東に沈みます。ISSは90分ごとに地球を一周していますので、先ほどの19時20分ころに見えた時に対して、この経路は1つ前の周回のISSの動きです。ここで、星図の右側にある「クイックアクセスバー」を見ると、この日の太陽が沈む時間は18:44と表示されています。つまり、17時39分頃にISSが昇ってきたときには太陽が沈んでいないため、ISSを見ることはできません。

「クイックアクセスバー」で日没時刻を確認しよう

国際宇宙ステーションが見える日時を調べよう

さて、最初に「夕方の空に人工衛星を見かけることがある」と書きましたが、これには理由があります。人工衛星は太陽の光を反射して光っています。ISSが夜中の空に昇ったとしても地球の影になってしまうので太陽の光が届かず、光っては見えません。そのため、夕方や明け方のように、太陽からの光が人工衛星に届く時間にだけ見えることになります。

もちろん、ISSは毎日同じ位置に見えるわけでありません。では、ISSがいつ見えるかを調べてみましょう。ステラナビゲータの「ツール」メニューから「出没表」を選択します。表示されたダイアログで、「天体名」から「国際宇宙ステーション(25544)」を選択します。「縦軸」は「24h」にして、「正午中央」をチェックした状態にしておきます。ここで表示されるグラフの一番左側は、先ほど星図に設定した日付である8月4日で、左上の「0h」は8月4日午前0時、そこから下に向かって時間が進み、一番下は8月4日の24時です。水色の部分は太陽が昇っている青空の時間、その上下にある暗い部分は夜を表します。

ISSの出没グラフ

グラフの中には、オレンジ色の点がいくつも表示されています。これがISSが昇っている時間です。8月4日19時のあたりにあるオレンジ色の点をマウスでクリックすると、グラフの中に日付や時間が表示されます。また、この点をダブルクリックすると、星図にはその時刻の空が表示され、ISSが昇っている様子がわかります。

グラフを見ると、オレンジ色の点は90分おきに見えていますが、これは先ほどの話のとおり、ISSが地球を90分で一周しているためで、90分おきに昇ってくることを表します。グラフを見ると、8月6日を過ぎるとISSは夕方の空ではなく昼の空に昇るようになり、東京では見えなくなってしまいます。再びISSが見えるのは8月19日、夕方ではなく明け方4時前になります。

ISS以外のたくさんの人工衛星を表示

夕方や明け方の空には、ISSに限らずいろいろな人工衛星が見えています。夜空を眺めていて人工衛星を見つけたら、ステラナビゲータを使ってどんな人工衛星なのかを調べてみるのも楽しいですね。

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