「星空ナビ」開発者に突撃インタビュー!

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こんにちは。星ナビ編集部のいしかわです。

アストロアーツの星座アプリ「星空ナビ(iOS版)」がついに正式リリース!

今回は「星空ナビ」の開発者・とよだ、つのだ、くぼたの3名に突撃インタビューし、「星空ナビ」開発までの経緯や魅力、こだわりを聞いてきました。

新感覚星空アプリ「星空ナビ」

ー 「星空ナビ」って、今見ている星空の中に天文ニュースや現象が浮かぶ「あの星なあに?」が特徴的ですよね。「星空を見ながらニュースがわかる」って、これまでになかった星空の新しい楽しみ方だと感じました。

星空の楽しみ方って、「星を見ること」だけじゃないなって思っていて。
私は東京生まれだったからか幼少期にあんまり「星を見る」ことに親しむ機会はなかったんですよね。でも、宇宙は好きで、科学の話や図鑑の話は好きでした。

ー たしかに、「宇宙や星空が好き」って一言でいっても人によっていろんな形がありますよね。

いわゆる天文アプリは星の見え方は教えてくれるけど、天文学の楽しさに繋がることはあんまりないなって思っていて。たとえば、友人と星について話をすることや、宇宙の疑問を語り合うことも星の楽しみ方ですよね。そういう時に話題の提供元になるようなものが欲しくて「星空ナビ」の制作が始まりました。

ー ちなみに、制作が始まったのはいつ頃からですか。

実は10年くらい前に「ステラナビゲータ」の火星バージョンを作ったんですけど、着想はその時からです。

ー 10年前! 思ったより前でびっくりしました。

「ステラナビゲータ」の星図中にニュースが浮かぶアプリみたいなのを当時作っていたのですが、当時は社内で何が面白いかわからないって言われて頓挫していて(笑)
それからしばらく時間が経って、今から3年くらい前に「アストロガイド星空年鑑(注)アプリ」の改良プロジェクトが社内で立ち上がって。今までの「アストロガイドアプリ」って、1年の天文現象を把握している人が開くようなアプリだったと思うんです。でも、そこまで星空に詳しい人じゃなくても、なんとなく開いてもらえるアプリにしたいねって話になって。それならニュースを載せてみようか、ということになりました。

(注)アストロガイド星空年鑑:毎年の天文現象や星空をまとめたムック。付属のアプリケーション「アストロガイドブラウザ」に含まれる天文カレンダー機能を、簡単に閲覧できるようにしたiOSアプリが2020年まで配信されていた。

ー ここで10年前の企画が生きてきたんですね。

このプロジェクトを進めていくうちに、「アストロガイド」以上にもっと幅広い人に使ってもらおう、ということになり、現在の「星空ナビ」が誕生しました。

Web地図から着想!星図のこだわりに迫る

(左)「あの星なあに?」ページ。星図の上にニュースや天文現象が表示される。
(中)星座の説明画面。星座の説明や今日の見ごろをチェックできる。
(右)「星をさがそう」ページ。見たい星座や天体、ニュースがあった場所までナビゲートしてくれる。

ー 「星空ナビ」の目玉機能といえば「あの星なあに?」。星図の上にニュースや天文現象が浮かんでいるのが特徴の機能ですよね。「ステラナビゲータ」の星図とはまた違った感じですが、どんなところにこだわっていますか?

もともとは、普段スマートフォンなどで指で動かして遊んでいる「Web地図」みたいな地図が作りたくて

ー スマートフォンやブラウザで使える地図の星図版、みたいな感じでしょうか。

そうですね。
最近地図業界では、地図に興味関心のある地点を載せる活用の仕方があります。そういう地図って「お店がどこにあるか」みたいなのが感覚としてつかめるんですよね。そういうのを星図でもやりたいと思い相談したところ、「実際に作ってみて」と。
その後、とよださんから、「星図にニュースを載せてみたい」という話があって、現在の「星空ナビ」に入っているようなWebで動く星図が生まれました。

ー 発想の融合ですねそういえば、「星空ナビ」は星図のカスタムも楽しいですよね!

今、地図業界で「地図のスタイルを変える」という面白い流れがあって。たとえば「線の色を変える」とか「ナイトモード」とか、スタイルを切り替えることが今の地図業界では主流になっています。そういうスタイル(モード)が丸ごと変えられるものを入れたいと思っていて。
今配信されている「星空ナビ」でも、星の形などの項目を変更することで星図のスタイルを変えることができます

カスタムした星空。

ー 星図の中につのださんのこだわりが詰まっているんですね。ちなみに星図担当として、オススメの星図カスタムはありますか?

オススメの星図のやっぱり「あの星なあに?」のデフォルトの星図です。時間経過によって空の色が変わったり、リアルタイムのシミュレーションがみれるので、ぜひ注目してみてください。

ゲームみたいに楽しく!バッジ機能で星空を泳ぐ

ー 「星空ナビ」といえばゲームみたいに星や星座を探せる「バッジ機能」も楽しいですよね。アイデアはどこからきたんですか?

「バッジ」のもともとのアイデアは「自転車アプリ」からきています。「何キロ走ったらメダルががもらえる」みたいなゲーム要素がありますよね。バッジがあると、自分のやったことが可視化される楽しさと、コレクションしていく楽しさも生まれます。
バッジを作ったのにはもうひとつ理由があって、星空アプリって明るい星を見つけるのは簡単だけど、次何を見ていいかわからない。バッジを集めることで「次の一歩」を提案していけたらと思っています。
単純に星空を見ているだけではなくて、そういうゲーム的な楽しさに繋げていきたいという思いがあり、バッジを作りました。

ー コレクションするみたいに星座を探したり、遊びながら学んでいけたら楽しいですね! ちなみに、開発者的におすすめのバッジはなんですか?

まだ実装されていないバッジですが、「一等星を全て見てみよう」ですね。一等星って何座にあってどういう名前で、っていうのはわかってるんですけど、意外と見逃していることがあって。

ー 一等星は目立つ星なので探しやすいですし、星に興味を持ったら見ておきたいですよね。

実は私、「フォーマルハウト」を、「星空ナビ」を使うまで全く意識したことがなかったんですよ。

ー たしかに、秋の星空は他の季節より落ち着いていて空に目が向きにくい季節。フォーマルハウトは見落としやすい一等星かも?

「星空ナビ」を実際に使っていて、「あ、あれがフォーマルハウトか!」みたいな気づきがあって。初心者の方ならさらに、普段何気なく見ている星が手元と通して一致するみたいな楽しさが楽しめると思います。
もうひとつのおすすめは「イベント」ですね。まだ実装されていませんが、日食やペルセウス座流星群などに合わせてバッジを出す予定です。このご時世、みんなで集まってみるのが心理的にも難しいので、このアプリを通して、オンラインで一つの場所に集まって星を楽しむみたいなことができたらいいなと思っています。

くぼたさんの話を聞いていると「一等星」バッジは早く入れたくなりました。くぼたさんが感じたような発見を、みなさんにも「星空ナビ」を通して感じてもらいたいです。

ー ちなみに、バッジは今後どれくらい追加される予定ですか?

現在バッジの数は6種類ですが、ゆくゆくはシーズンごとに数十種類リリースしていく予定です。

ー 数十種類!集める楽しみが広がりますね。 私もコンプリートを目指します!

これからの「星空ナビ」

(左)「毎日の暦」ページ。場所によって日の出・日の入りなどの計算や、今日の現象、惑星や主な星の見え方を教えてくれる。
(中)「現象一覧」ページ。毎月の現象を一覧で見ることができる。
(右)「星空だより」ページ。最新の天文現象や天文ニュースを一覧で見ることができる。

ー 昨年まで販売されていたiOS版「アストロガイド」ですが、今年からは「星空ナビ」に機能が吸収されていく、と聞いています。これまで「アストロガイド」を使っていた人に向けて「星空ナビ」の魅力を教えてください。

「星空ナビ」はオンラインでデータが更新されています。「アストロガイド」は年明けにはアプリとしてリリースされるので、彗星とか突発的な現象は、AGのアプリでは見逃されることが多かったんですね。でも、「星空ナビ」では常に最新の情報にアップデートされています。
そのほかにも、現象の手前でお知らせしてくれる「リマインダ(有料機能)」や、天文計算も随時更新されています。機能面は「アストロガイド」よりもプラスになっていますので、ぜひ使っていただきたいです。

ー 「星空ナビ」ベータ版リリースから、「Android版」についての質問が多く寄せられていますよね。「Android版」のリリースは予定していますか?

Android版は来年度に向けて製作中です。もうしばらくお待ちください!

【2021年4月27日追記】2021年4月16日に「星空ナビ」の「Androidベータテスト版」を公開しました。詳しくは製品情報ページをご覧ください!

ー これからもバッジ追加やAndroid版など、機能の追加が非常に楽しみです。「星空ナビ」のこれからについて教えてください!

機能の追加だけじゃなくて、「星空ナビ」を通して旬の情報や話題の提供をしていけたらいいなと思っています。
特にイベントバッジは力を入れていこうと思っていて、天文イベントと結びつけて新しい楽しみ方や星に親しむきっかけを提供していけたらと考えています。天文のイベントを楽しむプラットフォームとして星空ナビを使っていきたいです。

ー 最後に、この記事を読んでくださっている方にコメントをどうぞ。

星図上にニュースを載せることで、私も新しい発見がありました。ぜひ皆さんにも、星図上に乗っている記事を見る楽しみを体験してほしいです。

星空の楽しみ方は、星を見ることだけじゃなくて、興味を含めてさまざまな楽しみ方があります。星に興味がある人がニュースに気が付いたり、ニュースが好きな人が星空の楽しみ方に気づいたり。百科事典で調べたいことと関係ないところを、興味をそそられて読むのって楽しいですよね。そういう色々なものが雑多に乗っていること自体を楽しんでほしいです。

空の色がすごくきれいです。特に夕方の空が美しくて、見てて本当に「あ、いいな」ってなるので是非見てみてほしいです。

「星空ナビ」の夕焼けシミュレーション
「星空ナビ」の夕焼けシミュレーション

ー 「星空ナビ」のこれからが楽しみです。ありがとうございました!

開発者の思いがつまった「星空ナビ」、これからも機能や話題の追加などが楽しみです。ぜひチェックしてみてくださいね。

関連情報

・「星空ナビ」製品ページ→https://www.astroarts.co.jp/products/navi/

  • 2021年1月28日発売
  • 価格:無料(一部アプリ内課金があります)
  • 対応端末:iPhone 6以降(iOS 12以上で動作確認済み)

・「星ナビ」3月号→https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11833_hoshinavi

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